頸部リンパ節腫脹

頸部リンパ節腫脹は首のリンパ節が腫れる症状です。リンパ節は体内で細菌やウイルスを排除する役割を果たしており、感染症や炎症が原因で腫れることがよくあります。腫れたリンパ節は、感染や免疫反応によるものだけでなく、風邪やインフルエンザ、感染症、歯周病などの細菌やウイルスによる感染が原因となることが多いとされています。また、がん、リンパ腫、悪性腫瘍、特に首や口、喉の癌がリンパ節に転移して腫れることもあります。リンパ節が腫れているが痛みがない場合、癌の転移を疑うこともあります。

［ 症状 ］

• 首のしこりや腫れ（リンパ節が腫れることで首周りにしこりを感じる）
• 痛みや圧痛（リンパ節が炎症を起こしている場合、触れると痛むことがある）
• 発熱（感染症などが原因の場合、発熱が伴うことがある）
• 咽喉の痛みや違和感（風邪や感染症が原因となる場合、喉の痛みが出ることがある）

頚部リンパ節の腫れは、感染症から悪性疾患までさまざまな原因が考えられます。痛みがない場合でも、腫れが続く場合や他の症状が現れた場合は気軽にご相談ください。

唾液腺腫脹

唾液腺腫脹は唾液腺が腫れる症状で、唾液腺に感染や炎症が生じることが原因です。唾液腺には耳下腺、顎下腺、舌下腺などがありますが、最も多く見られるのは耳下腺の腫れです。原因には、唾液腺の感染症である「唾液腺炎」、唾液の分泌管が石（唾石）や粘液によって詰まる「唾液管の閉塞」、唾液腺の慢性炎症や自己免疫疾患（シェーグレン症候群）によって唾液腺が腫れる「慢性唾液腺疾患」、良性または悪性の「腫瘍」などがあります。

［ 症状 ］

• 口の中や耳の下、あごの下にしこりや腫れ（唾液腺が腫れて硬くなる）
• 口の乾燥感（唾液の分泌が減少するため、口内が乾燥しやすくなる）
• 食事中の痛み（食事を摂る際に唾液の分泌が刺激され、痛みが増すことがある）
• 発熱（唾液腺に感染がある場合、発熱を伴うことがある）

唾液腺の腫れは多くの原因が考えられます。腫れや痛みが続く場合、または症状がひどくなる前に気軽にご相談ください。

甲状腺疾患

甲状腺は、喉の前部に位置する内分泌腺で体の代謝を調整するホルモン（甲状腺ホルモン）を分泌します。甲状腺疾患には主に以下のような病気があります。

甲状腺機能亢進症（バセドウ病など）

甲状腺ホルモンが過剰に分泌される状態。体の新陳代謝が過剰に促進され、体重減少、動悸、手の震えなどの症状が現れます。

甲状腺機能低下症（橋本病など）

甲状腺ホルモンの分泌が不足する状態。倦怠感、体重増加、寒がり、皮膚の乾燥などが見られます。

甲状腺腫瘍

良性と悪性のものがあり、腫瘍ができると首にしこりを感じることがあります。悪性腫瘍は、進行すると転移することもあります。

甲状腺炎（急性または慢性）

炎症が甲状腺に起こると、甲状腺が腫れたりホルモンの分泌が乱れることがあります。

［ 症状 ］

• 甲状腺腫（しこり）（頚の前部にしこりが感じられることがある）
• 喉の違和感や圧迫感（甲状腺が腫れて喉を圧迫することがある）
• 体重の急激な増加または減少（甲状腺ホルモンの分泌異常）
• 疲れやすい、倦怠感（ホルモンの異常による体調不良）
• 心拍数の増加や動悸（甲状腺ホルモンの過剰分泌）
• 寒気や発汗過多（甲状腺機能低下症や亢進症の症状として現れることがある）
• 皮膚や髪の乾燥、脱毛（甲状腺機能低下症でよく見られる）
• 月経異常（女性では月経周期の変化が見られることがある）

甲状腺疾患は多様で、ホルモンの過剰分泌や不足、腫瘍によるものまでさまざまです。早期に発見し、適切な治療を受けることが重要です。ホルモン異常に関しては内分泌内科などへ紹介させていただくことがあります。